ターミナルサービスの利用
ターミナルサービスの利用
サミットを目前に控え、日増しに物々しい雰囲気になっている札幌市です。
弊社にはあまり関係ないのですが、お客様の中には洞爺湖の会場へ納品を行ってる
ため、書類やIDカード作成用の写真データ提供など、いろいろご苦労されている
ところもあります。とにかく無事に、そして有意義な内容で終わってほしいもので
す。
マイクロソフトからフラッグシップともいうべきWindows Server 2008が発売を
開始しました。
サーバ機に搭載されるOSであるため、普段あまり目にとまることはありません。
Windows ServerもNTから2000、2003とバージョンアップしていますが、正直「私た
ちにどういう関係があるの?」という方も多いと思います。
しかしサーバ機は会社の共有データを保管したり、業務アプリケーションを管理
するという重要な役割を担っています。
今回はWindows Server 2008の中で特にみなさんにも有用となるターミナルサービ
スという機能に焦点を当ててみました。
◆ターミナルサービスとは?
弊社のニュース「2007年12月号」で「リモートアクセス」を掲載しています。
ターミナルサービスはマイクロソフトの呼称であり、これと同じ意味のものです。
この機能に類するものは他メーカなどから専用ソフトとしても発売されています
し、技術的には古くWindows95以前からあったものです。
今回はイメージしやすいように環境を限定して、サーバ・クライアントの区別で、
ご説明します。
通常、サーバの利用方法というのは
①サーバの「フォルダ」へアクセスし、共有データを呼び出し使用する
②クライアントの業務アプリケーションソフトを起動し、サーバのデータを利用
する
ような形態が一般的です。
どちらも「クライアント」でソフト(Excel、Word、業務アプリ等)が動いて処
理を行います。
これに対してターミナルサービスとは
①サーバへ「リモート」アクセスし、サーバ機の画面を自分のディスプレイに
表示する
②サーバの中にセットアップされているソフトを動かす
という形になります。
このように「サーバ」でソフト(Excel、Word、業務アプリ)が動くので、どち
らかというとサーバに向かっているような感覚で作業うことになります。
クライアントのディスプレイやキーボード、マウスを利用するのは同じなのですが
どこの頭脳を使用するか?ということから、処理速度やメリットに大きな違いが出て
きます。
◆ターミナルサービスのメリット
このターミナルサービスを利用すると、基本的にはどこにいても同じ画面で作業が
行えるようになります。クライアントが自宅にあったり、空港のホットスポットに
あったりしても、会社のサーバ機へリモートアクセスすると「いつもの画面」が表示
され、最新のデータを利用することが可能になります。
データはいつでも会社のサーバにしかありませんので、データ漏洩などのリスクは
大幅に減らすことになります。
仕事に必要なソフトは全てサーバにセットアップするため、管理も一元化できます
し、クライアントを低スペック抑えることが可能です。
また重要なソフト、データは全てサーバにありますので、クライアントが壊れて
しまった場合でも、安心です。(いまどきの安いパソコンをご使用の方は、これも
大きなメリットです)
◆進化するターミナルサービス
このターミナルサービスがWindows Server 2008では大幅に機能アップしました。
今までは「サーバの画面」をクライアントのディスプレイに表示していましたが、
今度は「サーバのソフト」アイコンをクライアントの画面に表示できるRemote APPと
いう機能が増えています。
クライアントの画面にあるアイコンをクリックし、それがあたかも自分のソフトで
あるように動作するのですが、それが実はサーバ機で実行していることになります。
これにより無駄な情報の転送がなくなり、より快適で安全なリモートアクセスが
可能になるのです。
今までのリモートアクセスに必要だった3つの手順
①サーバへアクセス
②アプリケーションの使用
③サーバからの切断
という手順が1つの手順
①アプリケーションの使用(サーバ自動アクセス、自動切断を含む)
ということになります。
「サーバの画面」、「クライアントの画面」という区別が無く使用できるため、
使い方がとてもシンプルです。
この機能はぜひ体験してみてください。
自宅や出張先へデータを持ち運ぶと、どうしてもデータ漏洩の危険と隣合わせです。
パソコンにいろいろなソフトをセットアップするのも、速度低下の要因です。
リモートアクセス技術で、安全・安心・快適な環境を構築してみませんか?
◆Windows Server 2008 ご検討時にはご注意下さい
Windows Server 2008には32ビット版と64ビット版が存在します。いままでのパソ
コンとの互換性を考慮してのことですが、64ビット版への全面以降は時間の問題
となっており、次に発売されるマイナーバージョンアップモデルは32ビット版が
サポートされない模様です。現在サーバ機の購入をお考えになる際は、64ビット
サーバをご検討頂くようお勧めいたします。
(井関)