うっかりパンクしてしまったパソコンの応急処置について

1月 01
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最近、皆様からよくご相談を受けるのが「ハードディスクが一杯になってしまった
」というトラブルです。
 パソコンを購入して2~3年、そろそろ新しい機種も気になる頃ですね。ところが
突然Windowsから発せられる「ディスク容量が不足しています」という無常な警告
メッセージ。忙しいときに限っておきるのは何故なんでしょうね。

 根本的にパソコンの容量が不足してしまったら、機材の追加や交換が必要である
のは言うまでもありません。
 でも案外「小手先」の技術で、当面の容量不足を解消できるというケースも決し
て少なくはないのです。

そこで今回ご紹介するのは、「知っているとちょとお得な技術情報」です。

 ここ1~2年のパソコンは記憶容量も飛躍的に大型となりましたので、容量が不
足するなんてことはあまりないようです。そこで今回は3年程度前に発売されていた
「Windows98」搭載機にターゲットを絞り、お話を進めていこうと思います。
(他のWindowsでも基本的な考え方は同じです。使用する用語や指定箇所が若干異な
る場合があります。)

1.不要データの削除

  1)インターネットテンポラリファイルの一括削除
    これはインターネットを閲覧した際に自動生成される「ホームページデータ
    の残骸」です。同じホームページを何度も繰返し表示する際、高速に処理が
    できるよう、Windowsが気を利かせて保存してあるデータですなのです。
    消してしまってもとりあえず支障はありません。インターネットエクスプ
    ローラのプロパティ画面から削除が可能です。

  2)Windowsテンポラリファイルの一括削除
    Windowsが日常の処理で自動作成する「データの残骸」です。これまた消
    してしまっても問題はありません。ただなぜか削除の方法がWindowsに標準
    搭載されていません。「窓の手」など専用ソフトを使ったクリーニングが
    必要となります。

  3)過去メールの選択削除
過去の受信メールや送信済メールを削除して下さい。特に写真などが添付
    されたメールは非常に多くの容量を消費しています。気がつくと数年前か
    らのメールが残っていませんか?ご自分で不要と思われるメールはどんどん
    削除して下さい。しかし実はこの削除には落とし穴があります。削除したつ
    もりのメールもソフトの設定によっては「削除済みアイテム」に残っている
    だけで容量はあまり空かないのです。ここを空にしなくては削除した意味が
    ありません。オプション設定で「終了時に削除済みアイティムを空にする」
    をご指定ください。メールソフトの使用が終わったときに削除指示したメー
    ルを「本当に」削除してくれます。あともうひとつ忘れてはならないのが「
    フォルダの最適化」です。これは削除処理によって発生した「無駄な隙間」
    を整理するものです。この作業も空き領域の作成には大きく貢献します。し
    かし、残念ながらこの最適化処理そのものにも作業容量が必要となります。
    したがってパンクしかかっているパソコンでは最適化処理の実行ができない
    可能性もあります。

2.ドライブ形式の変更

  「Windows98」搭載機の頃、ドライブのフォーマット形式はFATが主流でした
  。実はこれWindows95時代の旧規格なのです。当時のパソコンメーカは過去の資
  産との互換性のために、わざわざ古い規格を使用していたようです。このフォー
  マット形式を新規格のFAT32形式に変換すると、容量は不思議なくらい空き
  ます。(原理としてはひとつのデータの最低単位を小さくすることにより、無駄
  な領域を無くするというものです。)これは是非お試し下さい。
  あと本当はもうひとつ、「ドライブの圧縮」という方法もWindowsには用意され
  ています。しかし弊社では過去の経験からこの方法をお勧めしていません。もっ
  とも簡単そうなので実行してしまう方も多いのですが、圧縮前に比べて速度が低
  下したりするようなトラブルも発生してしまうことがあります。こちらはギリギ
  リの「最終手段」と考えたほうがよさそうです。

3.フォルダの移動

  実はみなさんのお話を聞くとハードディスクのCドライブ容量は不足しています
  が、Dドライブ側は余っているというケースが多いですね。そんな場合は以下の
  フォルダやファイルをCドライブからDドライブへ移動してしまうのも効果的で
  す。

  1)スワップファイル・・・Windowsが使用する作業ファイルです。システムプ
    ロパティのパフォーマンス欄で移動可能です。

  2)インターネットテンポラリフォルダ・・・前述した「ホームページデータ
    の残骸」の格納場所です。インターネットエクスプローラのプロパティで移
    動可能です。

  3)テンポラリフォルダ・・・これも前述した「データの残骸」の格納場所です
    。システム設定ユーティリティで変更可能です。

  4)メールフォルダ・・・受信メールや送信済メールの格納場所です。メールオ
    プションのメンテナンスで設定可能です。

  5)マイドキュメント・・・みなさんの作成したワープロや表計算データの「標
    準的」な格納場所ですね。このマイドキュメントも通常はCドライブに作成
    されています。簡単にプロパティ画面でDドライブへ設定を変更できます。
    ただしこの場合、既存データは自動的に移動しませんので、エクスプローラ
    などを用いた操作でデータの移動処理が必要となります。

 いかがでしょうか?他にもドライブの割付を変更するなどの方法がありますが、一
般的なものとしてはこの位だと思います。
 しかしどの作業方法もある程度の「リスク」を伴います。紙面の関係もありますが
あえて具体的な手順までは記載しませんでした。
 なぜなら事前に必要箇所のデータをバックアップしたりする「最低限」の知識が無
くては、かえってデータを消失したりする重大なトラブルを招く事もあるのです。
 もし、ここに書かれた内容が理解しにくい場合、前述の作業は私たち専門家におま
かせ下さい。
 もちろん、具体的な方法についてなど、技術的なご質問もお待ちしております。

 今回はちょっとマニアックな、でも「知っているとちょとお得な技術情報」でした。
                                  (井関)