情報系システムの今後の重要性

12月 01
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皆様、こんにちは。
〝あっ〟と言う間に今年も残すところ、あと約2週間となってしまいました。私自身
一年を振り返ってみると、仕事もプライベートも良くも悪くもたくさんの出来事があ
って、現在の社会に合わせるかのように、ドタバタと過ぎてしまったような気がしま
す。来年はもう少し「落ち着いて」と思いつつ、「年末までにまずあれをして」、
「年が明けたらこれをして」などと考えて、よりいっそうドタバタしている今日この
頃です。皆様はいかがでしたでしょうか?

 今回は『情報系システムの今後の重要性』ということで、「情報系システム」につ
いて考えてみました。今日のビジネスは、数多くの情報をベースに、短時間で、なる
べくコストをかけずに〝意思決定〟を下していかなければなりません。こういった制
約された状況下で、会社のさまざまな人が、それぞれの場面で、正しい意思決定を行
う必要があります。正確でタイムリーな情報にサポートされることにより、このよう
な意思決定が下せるようになることができます。

 一口で「情報系システム」と言いましても、CRMや、グループウェア、ナレッジマ
ネジメントシステム、DWHなどなど、これらをひっくるめて「情報系システム」と呼
んでいますので、とっても広範囲な内容になってしまいます。上記の単語を簡単に
ご説明いたします。

 ・CRM(Customer Relationship Management)【※1】
  顧客に関する色々な情報をデータベースによって一元管理し、顧客ニーズに合
  った個別対応を可能にして、より効率的、効果的に顧客を創造し、維持するこ
  とを目的としています。

 ・グループウェア
  グループで情報の共有やコミュニケーションの効率化をはかります。主な機能
  としては、グループ内および外部との電子メール機能、グループ全体に情報の
  提供を行う掲示板機能、メンバー間でスケジュールを共有するスケジューラ機
  能、文書などをメンバーで回覧するワークフロー機能などがあります。

 ・ナレッジマネジメントシステム
  前述の、グループウェアの情報の共有とほぼ同じですが、こちらは知識を収集
  整理して組織内で共有します。共有する知識とは形式知(明示的な知識)だけ
  でなく、暗黙知(経験則や仕事のノウハウなど)まで含まれます。こうした知
  識を共有し、有効活用することで組織全体の業績を上げることを目的としてい
  ます。

 ・DWH(データウェアハウス)
  データウェアハウス自体は、データを時系列にそのまま保管し、データを加工
  しないデータベースです。実際にはOLAPツール(分析ツール)などを利用して
  さまざまな切り口によりデータの分析を行います。

 このような単語を「聞いたことはあるけど、よく判らない」という人も多いのでは
ないでしょうか。実際、上記のようなシステムは最近登場したわけではなく、それぞ
れのシステムで登場した時期は違いますが、いずれも考え方や前身となるシステムは
10年以上前から存在しています。

 ではなぜ今、「情報系システム」を考えるのかということですが、情報活用の重要
性はわかっていても、システムを構築するとなると、やはりかなりの費用がかかるも
のでした。ところが、ブロードバンド【※2】の普及による通信環境の向上、また高
性能なパソコンの低価格化など、以前と比べるとインフラの整備が格段としやすくな
ったからです。しかし、いくら高性能で低価格と言っても、1台10万円近くするパソ
コンを全社員分揃えると言うのは、なかなか難しいかもしれません。そこは携帯電話
を上手に有効活用【※3】することにより、携帯電話を端末として使用することがで
きます。そうするとパソコンへの費用負担を軽減することができます。

 ソフトウェアの技術も向上し、上記のようなシステムを低価格で導入できるように
なりました。CRMは以前ご紹介したのを参照していただくとして、DWHは表計算の機能
(Microsoft Excelのピボットテーブル、Lotus1-2-3のダイナミッククロス集計等)
でデータを色々な角度からクロス集計して分析を行うシステムの高機能版ということ
で、ご理解いただければ結構だと思います。それで、今回は情報共有というところで
グループウェアをもう少し深く追求してみたいと思います。

 グループウェアを導入、活用する上で重要なことは、とにかく「全員が利用する」
ということです。全員で利用しようと思っても、色々な職種や年齢層の方がいますの
で、なかなか難しいかもしれませんが、スケジュールや、会社の連絡事項を伝える、
回覧や掲示板といった機能は多かれ少なかれ利用すると思います。まずは、そのよう
な機能から全員で利用し、情報を共有することの喜び(便利さ)を実感していただき
たいと思います。そういう情報の共有から始めて、徐々に各部門での文書共有や、プ
ロジェクトの管理などを徐々に導入していくことが、成功のポイントになります。
 また「全員が利用する」というところにはもう一つ、「ITリテラシー(ITを利用す
る技術)の向上」という目的があります。今後、色々な方が様々な場面でパソコン等
の利用する機会が増えると思います。そのときに「デジタルデバイド(ITを使える人
と使えない人の格差)」が生じないよう、早いうちに全員がITに慣れ親しむことによ
り、その後の展開を一層スムーズに行うことができます。

 よくスケジュールの共有や、文書の共有などのお話をすると、「人数が少ないから
スケジュールはホワイトボードで充分」ですとか、「データは個々で管理して他の人
が作った文書を使用することは無い」、または「現状で事足りている」などという、
私共にとっては〝悲しい〟お言葉をいただくこともあります。

 しかし例えば、外出先の人から会社に「何か連絡がなかったか?」との問い合わせ
があった時に伝言がないかをその人の席まで行ってメモを確認する。またはデータを
個々で管理している場合は、その情報を「その人意外誰も知らない!」などなど、他
にも日常ではあまり気がつかない、小さな事というのはまだまだあるのではないでし
ょうか?そこに改善の余地はあると思います。是非一度導入したときの効果を検討し
てみてください。

 すぐに劇的な効果は得られないかもしれませんが、情報の共有により、徐々にコミ
ュニケーションの改善、そして各部門の業務改善、さらには会社の業務改善とつなが
っていきます。グループウェアのソフトウェア自体は、10クライアント用ですと大体
10万円~(利用する機能により値段が異なります。)購入することが可能です。また
来年早々には、サーバーOSとグループウェアがセットになった製品も発売される予定
です。価格はまだ発表されていませんが、当然のことながら、サーバーとグループウ
ェアを別々に購入するよりはお徳になると思います。この辺の情報については、また
明らかになり次第、皆様に何らかの形でお知らせしたいと思います。

 このように、情報系システムが効率よく、低価格で構築できるようになり、今後は
より一層、情報系システムをどう活用するかが重要なキーワードとなりそうです。皆
様の会社や業種にあった情報系のシステムの構築の可能性を是非弊社にご相談くださ
い。

 ※1 CRMについては2003年1月号を参照
 ※2 ブロードバンドについては2003年11月号を参照
 ※3 携帯電話の活用については2003年9月号を参照

                              (Black Knight)